俺の屍を超えていけ

今のこの世界、実は意外と多いのは「元天狼から模擬屋に」「元天狼から他国で海賊に」という連中。
ウチの場合、世間で言う「商会」という組織というよりはサロンとか行きつけのＢＡＲとか溜まり場みたいな集団なので、出入りが結構多い。その中で常駐の常連みたいなのが数人居るけれど、基本的には勧誘活動も一切しなければ去るもの追わずが基本。
なんとなく人てに俺のことを聞いて何となく入って対人に興味を持ち模擬に目覚め、固定艦隊を組める所へ卒業してったり、俺が斡旋してるケースもあったり。

海賊は海賊で、オレがこんな感じなので、基本的に単独で動き回る連中が多く、その場に居る他のイングと即席で混ざる事はあっても、固定で動いてる連中もいない。
少し前で言うシュラやヘルハイムやファンティアみたいな、俗に言う『海賊団』という集団を作りたいというような志を俺は持ってないので自然とそうなるのだが、中にはウチでの活動の中で大きな志を抱き始めるものもいる。

ウチを出て行くときに「フランスで一番と言われるくらいの海賊になれ」と送り出した奴がいる。

そんなカープアカデミーみたいなウチが生み出したソリアーノの如く…といっても、別段オレが育てたわけでもなきゃ何か教えた覚えも無いので勝手に育ったんだが、フランスで頭角を現した海賊がおりました。

先日そいつとアジアで遭遇しましてね。

もちろん、旗が違えば敵…というか、俺の場合は同じ旗でも一方的に敵視されてる場合もあるが、とりあえず敵。

「海賊として親殺しの勲章が欲しい」といことのようだが、こちとらリハビリ中なのに一気にハードル上げられた感がありありである。

開始早々様子見て、まず船の速度で勝てない事は判明。というか船の情報を見るというのが最近は面倒なのでサボってるのだが加速強化入れてるくさいので、白兵迎撃は入ってないんじゃないかと勝手に予想。
自分より早い相手に白兵を仕掛けるには、相手の行く場所に相手より先に舵を入れて短い距離で移動するというような戦術理論を昔の俺は持ってたような記憶があるが、肝心のその手段を思い出せないまましばらく思案。
…あぁ思い出した。確かライン際を使ってたような…みたいなうろ覚えの記憶で、それっぽく動いてみる。

なんとか白兵に。俺先行だが白兵迎撃は入ってないようだ…というか、昨今の流行に比べても明らかに白兵値が低いので、元から捨ててるのかもしれん。
まぁ俺も迎撃も先制もないけれど。




一応の面目を保つことには成功したようだ